冒険者の犬

結婚3年半経過した事務職が書く日記ブログです。

グランパスと、田口と、移籍と、ジュビロとの試合と

 田口がグランパスから移籍して半年ちょっと経過しました。最近グランパス調子良いし、ようやく田口の残影を払拭しつつあるのかな、ボチボチ田口のことを書いておいても良いかなと思ったので思うところを書いておきます。

 

 田口のことは好きでしたよ。去年の横浜戦での、あのやっちまった田口退場時に

「田口てめえこの退場(による勝点逸)で昇格できなかったら許さないぞ」

とか呟いたら微妙に燃えたりもしましたけど。ただ、それは田口個人に対して憎んでるとか嫌いとかいう話ではなくて、あくまでその試合での出来や行為に対しての憤りの表現でした。言い過ぎたと思ったんで消してお詫びしました。その節は見苦しい姿をお見せしまして大変申し訳ございませんでした。

 田口に限らず、高卒新卒やユース上がりの選手って、未成年のころから知っているから、なんとなく『遠い親戚の子』を見守るような目線になっちゃいませんか? 田口は時代的にはまだ『若手の墓場』とか揶揄されていた時代のグランパスに加入してきた選手で、そんなチームに加入してくれて『右ウィングを主戦場とするファンタジスタタイプ』とかサッカー雑誌で紹介されていましたから、そりゃもう期待したものです。ただし時代はピクシー政権。若手にはなかなか出番は与えられず、田口や同い年のイソも燻る日々。特にトヨスポに通ったりするわけでもない僕としては、試合で姿を見られないので、いつの間にか『在籍し続けている期待の若手』になっていました。ところが田口、2012年にレギュラー掴みましたよね。若手の墓場のグランパスから育った高卒選手、この環境でも勝手に育つ奴は育つのだと感動したし、いつの間にかポジション下げててCHで躍動するその姿に新鮮な驚きを覚えました。特に守備時のプレーは軽かったですが! ………まあそれはともかく、高卒プロ4年目で主力に定着したならば、決して遅くないしこれからだと思っていました。監督がピクシーから西野さんに代わっても主力であり続け、いつの間にか守備でも体を張れるようになり、アギーレ監督時代には日本代表にも選出されましたよね。本田以来でしょうか、高卒から日本代表まで登り詰めた選手がグランパスにいる、その事実に色々と感傷的になったものでした。

 ところが好事魔多し、2015年に恐らく一生付き合っていくのであろうグロインペイン症候群の悪化。復帰後でも、特に長距離のパスの精度・速度は目に見えて落ちましたし、いつの間にか深刻な状況になっていた左膝はほぼ使えなくなっていました。

 

 そして、2016年にクラブは降格しました。

 

 2016年オフ、田口は残って欲しいな、でもオファーもあるそうだし移籍するかもしれないな、どうなるかなとドキドキしていました。田口の結論は『単年契約ながら残留』で、ああ田口は降格の責任を感じているんだ、一緒に上がろうとしてくれてるんだ、でも昇格できなかったらきっと出て行っちゃうだろうなと、感動と恐怖が半々なような気分だったことを思い出せます。そんな田口の去年の活躍については、今更僕が言う必要もないと思います。田口がいなかったらグランパスは決して昇格できなかったでしょう。1年でJ1復帰して、田口はグランパスと、僕たちファンに対する責任を取ってくれました。そして田口は移籍して・出て行きました。

 選手の移籍どうこうについては、表立って語られる理由なんてものはだいたい信用できません(欧州サッカーファンならわかるはず)。だからこそ

「気持ちを感じられなかった」

との田口本人のコメントを100%真に受けて

「大森のせい」

「大森やめろ」

とか言っちゃうファンに個人的にはオイオイと思ったりもしました。ちょっと初心すぎねえ? みたいな。一方、移籍するとわかったら

グランパスファンは田口の移籍に怒ってるんじゃない哀しんでるんだよ」

とかコメントする方を見て、何勝手にグランパスファン全体(僕含む)代弁してくれちゃってるんすかねえ? 自分が哀しんでるなら自分が哀しんでると書けと憤ったりもしました。更には

「田口絶対許さない」

「田口磐田を叩き潰そう」

とか言っちゃうファンの方にも申し訳ないが共感はまったくできず。色々理由はあったんだろうけど、サッカー業界において選手の移籍なんてのは仕方のないことだし、移籍したからと言って田口のグランパスへの貢献は決して嘘ではないのだから、貢献を称えても良いと思うんです。グランパスの田口を愛していた自分の気持ちまでも否定し攻撃するような自傷行為をしても仕方ないんじゃないでしょうか? まあそれでも選手に対してどういう思いを抱くのかは当然ファン各位の自由であって、僕がどうあるべきなどと言うのもお門違いで、好きに思ってくれれば良いのですけど。

 さて、明日は今年2回目のグランパスと磐田との対戦です。僕が望むことは、『今のグランパスの最高に楽しいサッカーを田口に見せて、そしてグランパスが磐田に勝って欲しい』ということだけ。選手個人に対して潰すとか勝つとかそんなことはどうでも良くて、強いて言うならばお互いの100%の力での勝負を期待したい。グランパスはもう田口の影を追いかけているチームではない、既に新たな姿であるということを、内容と、結果とで見せて欲しい。

 素晴らしい勝負に、期待しましょう。

 

追記