冒険者の犬

結婚3年半経過した事務職が書く日記ブログです。

13節まで終えて、J2と名古屋グランパスについて思う

目次

 

はじめに

 名古屋グランパスはJ2の2017シーズンにて、13節終了時で6勝4分3敗、勝点22の6位につけている。リーグ日程の約3分の1を消化した現時点での思うことを書いてみよう。

  

 

J2のサッカー

カテゴリは違ってもサッカーはサッカー

 シーズン開幕前、僕のような、Jではグランパス+J1注目カードくらいしか見ない者にとって、J2とは実態のわからない『魔境』であったように思う。J1の下位カテゴリなんだから、総じてJ1よりレベルの低い感じなんだろうな、程度の認識だ。よく知らないからこそ恐ろしかった。ところが、シーズンが開幕し、魔境に飛び込んでみたら、そこは意外と慣れ親しんだJだった。フォーメーションや戦術の流行や選手の特徴など、とってもJでJでしかあり得ない。警戒は必要なのだが、無意味に恐れる必要は無い。J1でもJ2でも、結局はサッカーをやっているだけだった。

サッカーはサッカーなんだけどJ1とは違う

 J1とJ2との違いというよりはチーム単位で言うべきことかもしれない。これまでの対戦チームで、特に下位チームでは、『技術不足』『でも頑張る』『結果として異様に粗い・荒いプレイが発生する』と感じた。恐らく悪意は無いのだ。ただ下手だから、ボールを取れない状況でも突っ込んで、そして危ないチャージになったりしていた。試合のコントロールと言う意味では審判の責任が大きい。全部カード出したら3人/チームくらい退場者が出るかもしれず、試合としてもう不成立になるかもしれない。それでもそこは毅然と、それではダメなんだよとカードを出して欲しい。粗い・荒いを激しいと混同してはいけないと思う。

 一方で、グランパスが決定機を相手に作られた際に、シュート、ラストパス、ドリブル、トラップのどこかで相手のとんでもないミスが発生して無失点で助かる。そういう場面をよく見かけた。僕が試合中にツイートする『相手が下手で助かったJ2定期』だ(失礼)。いや、決定機でのミス自体はJ1でも正直よく見かけるけど、ミスるにしても程度問題だ。自チームの選手がやらかしたら、脊髄反射で「代えて! あのフォワード!」と某闘将的に言いたくなるようなレベルのミスを何度も見た。J1の平均的なアタッカーを想定したら、失点数が10点くらい増えてるんじゃないだろうか。これに慣れてはいけない。

 J1とJ2でそれほど差がないと感じるのは、『自チームのサッカーで横綱相撲しようとするチーム』は少なくて、基本的な形を除いて『相手の弱点をつく狙い』の目立つチームが多いこと。そしてグランパスは13節終了時点では攻守ともにまだまだ未完成で隙の大きいチームで、よく弱点をつかれている。ファンとしてはなかなかもどかしい昨今だ。

 

グランパスの現状

やってきた選手と監督と

 移籍加入した選手は、期待通りに、もしくは期待以上に活躍している。特に玉田には驚かされた。スーパーサブとして期待していたけど、年齢的にスタメンは厳しいと思っていたからだ。そんな玉田が『グランパスで最も上手い選手』としてスタメンで出続けている。全盛期と比べるとやはり衰えているけれど、身体が衰えた以上に精神が成熟していた。ベテランに期待される振舞いをする玉田なんて、ほんの4年前には想像できなかった。その他、永井龍宮原和也杉本竜士の活躍も目を引いた。強化部の仕事は素直に褒めるべきだろう。

 一方、強化関連の今後の課題としては、外国人選手獲得のルート・バイプ作りだろう。ブラジル3人組は良くも悪くも『J2でも圧倒的な選手ではない』という事前想定の通りだった。ただし目玉選手を獲るには純粋に札束が必要だから、予算制約の中で少なくとも戦力になる選手は獲ってきたと褒めるべきなのかもしれない。

 監督はフロンターレファンの皆さんからの情報通り過ぎて笑った。意外だったのは、主にハーフタイムでの修正で現実的に勝ちに行くこともする監督だということ。そして選手の操縦術に長けている。根拠はないが、選手のプライドを刺激するのが上手いんじゃないだろうか。

去年からの比較で見える希望

 選手は戦っている。去年とは比較にならないほど。そして、意図を持って戦っている。とにかく勝つしかない、勝てばよかった去年とは、意図の具現化の狙いが見えるだけでも、ファンとして前を向ける。応援したくなる。最近は勝ち切れなかったり惨敗したりもしたけれど、去年の今頃と比べると、少なくとも応援していて楽しい。選手の成長する姿には夢がある。夢を見させて欲しいのだ。個人的には近年で最も応援していて楽しい。

課題

 山積み。でも課題にだけ目を向けて罵倒したりはしない(試合中のツイートが時折荒れているのはご容赦願いたい)。前述の通り僕は応援していて楽しいからだ。

 

余談:J2の戦い方マニュアルについての所見

consado.hatenablog.com

 コンサドーレファンの方が親切なことにマニュアルを書いてくれたので、思うところを書いておく。

名古屋グランパスは特別なクラブだが勝って当たり前ではない

 大前提として、サッカーをやっている以上、勝つことも負けることも、引き分けることもある。ファンとしては毎試合勝ってほしいと思っているが、現実として全勝優勝も無敗優勝もあり得ない。必ずどこかで負けるのだ。そして負けても負けても戦えなかった(戦えなかった理由は色々あったが……)去年と、今年のグランパスは違う。

 過去にそれほど意識していなかったのだが、降格しJ2を戦う今だからこそ思っている。名古屋グランパスは日本トップクラスの大企業を親会社・メインスポンサーとする、オリジナル10の特別なクラブであり、だからこそ卑屈になってはいけないということだ。チヤホヤではなく、相手チームからも畏敬されるチームでなければならない。

J1を見通さないサッカーでは親会社が絶対に納得しない

 中位力などとファンも自虐をこめて言うグランパスではあるが、予算規模等、本来『毎年J1優勝争いをすべき』クラブチームであることに異論のある人は少ないだろう。2017シーズンにおいて、あってはならないJ2降格後でも予算規模を維持できたのは、J1を見据えたビジョンを親会社であるトヨタが承認したからだ。とりあえずJ2で2位に入れば良いなんて目標では許されない。

 件のマニュアルは、『ピッチ上では現実的に勝ちに行け』との趣旨だと思うが、J2で勝てるだけのチームは、概ね、翌年J1において自動降格コース一直線になる。まず昇格できなければ話にならないとはいえ、グランパスエレベータークラブになってはならない。先を見据えて何が悪い。トップであるべきクラブチームには、それに合った身の丈があるのだ。

 

 

閑話休題

 

まとめ

  • J2はわけのわからん魔境ではなかったがサッカーって難しい。
  • 今シーズン、いちファンとしてけっこう楽しく応援できている。

 

以上