いただいたツイートへの返事~またしてもカット野菜についての話~
はじめに
先日書いた記事について、こんなツイートをいただきました。
いい加減にカット野菜=次亜塩素酸ナトリウム使用というのやめませんか。 http://t.co/v5mKnM6njp どっちが本当? http://t.co/0xO0PiJ5eD 例の「るいネット」と。
— なんでも いい (@truth_sns) 2014, 2月 16
どちらが本当? とのことですので、本記事では、リンク先の記事について記述致します。
しつこいようですが、僕はあくまで元カット野菜メーカー社員でして、現在ではまったく別の業界に居ります。実名を晒したりする気もございませんので、匿名記事なんか信用できない! という方や、カット野菜に何の興味も無い方におかれましては、そっ閉じを推奨致します。
早速、リンク先を見てみましょう
コンビニで売られているカット野菜 野菜不足解消した気になってませんか!? - るいネット
コンビニでお手軽に買えるカット野菜。
野菜不足だからといってカット野菜で間に合わせ、野菜をとった気になったりしていませんか??カット野菜は、見た目はたしかに野菜ですが、中身は野菜とはかけ離れている。薬品+水洗いの過程が原因のようだ。
以下より引用します。リンク
そうですか、つまりあなたもコピペですか。
この時点で、
「比較対象として出されたリンク先の記事はコピペでした」
と終了しても良いような気もしますが、せっかくなのでコピペ元を見てみましょう。
前に書いたマーガリンはプラスチックと同じ!?で説明したマーガリンと同じように健康によさそうだけど、じつは体によくないカット野菜について書きます。読んでもらえれば、カット野菜の恐ろしさがわかります。
(中略)
(じつは体に悪い19の食習慣 132ページ)
じつは、体に良いと思ってカット野菜を食べたことがあります。その時はあまり気にしていなかったのですが、今思えば野菜が少し苦かったのを覚えています。この本を読んだ後は、僕はなんて馬鹿なことをしていたんだろう、と思います。すでにカットしてあるので、あまり体によくないとは思っていましたが、まさかこれほどとは・・・自分の味覚もあてにならないなと、反省しました。(笑)
つまり、じつは体に悪い19の食習慣、という本の132ページを引用されているようです。(文脈とは関係ありませんが、上記ブログ主様には味覚とは別の問題があるように思います。)
著者は 南 清貴さん。
EPIC LLC./ Atelier KIYO 代表 KIYO(南 清貴)プロフィール | フードプロデューサ南清貴 - KIYOTAKA MINAMI
はあ、なるほど。オーガニックレストランの経営者ですか。独自の健康料理を提供する料理人さんですか。
ところで、この本および著者については、前の記事でリンクを張ったブログにて言及されてましたね。
僕の意見はこの記事と同じです。ですが、せっかくなので、引用部分について見てみましょう。
以下引用および所見
カット野菜は薬品漬け
健康的な食生活にとって、野菜が大切だということは、知識としてはかなり浸透しているようですが、はたして、日々の食事で実際に野菜が足りている人はどのくらいいるのでしょうか? 野菜不足だからといってカット野菜で間に合わせ、野菜をとった気になったりしていませんよね? カット野菜は、見た目はたしかに野菜ですが、中身は野菜とはかけ離れたものだと思ってください。自分でキャベツをスライスして、マヨネーズをかけて食べるのなら、まだ野菜と認めましょう。しかし、カット野菜は、もはや野菜にあらず! です。たとえ野菜不足のときでも、私は、食べないほうがいいと断言します。
マヨネーズをかけると、キャベツは『まだ野菜と認めましょう』に成り下がるそうです。そしてカット野菜は野菜ではないそうです。この方の野菜の定義はどうなっているのでしょうか。
ちょっと考えてみてください。カット野菜は、あなたがコンビニに行ったときに裏でカットして出してくれたものではありませんよね。どこかの工場でつくられたものが、何時間かかけてお店に運ばれてきたものです。そして、さらに売り場に並べられて何時間か経ったものです。
自分の家で同じように野菜をカットして、プラスチックの容器に入れて実験してみてください。時間が経つにつれ、色は変わりしんなりして、夏場なら変なにおいもしてきます。これが野菜の自然な姿です。しかし、スーパーやコンビニのカット野菜は、いつも青々としてみずみずしい姿で並んでいます。どうしてそんなことが可能なのでしょう?カット野菜の製造方法を知れば、私がカット野菜を勧めない理由がおわかりになると思います。
どうしてそんなことが可能なのかは前の記事で説明しました。
カット野菜は、野菜を切った後、次亜塩素酸ナトリウムという消毒液やプールの消毒に使う塩素水に何度も繰り返し漬けて殺菌します。
僕は知りませんが、今でも一部の業者は使ってるかもしれませんね。それでも、『次亜塩素酸ナトリウムという消毒液』という表現は誤解を招きます。低濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。
においを嗅いだだけで、食べたら危ないとわかるはずですが、そのにおいを消すために、何度も水で洗浄します。
『何度も繰り返し漬けて』って何回と言いたいのでしょうか。多くて2回でしょう。
野菜に含まれている栄養素は水溶性のものが多いですから、殺菌剤液に漬けたり洗浄したりする間に流れ出てしまい、ほとんど何も残っていません。あえて言えば食物繊維くらいでしょうか。そんな野菜を、お金を払ってまで食べる意味があるでしょうか?
これに対する参考リンクはこちら
減少してはいますが、何も残ってないなんてことはありません。
ところで、「カット野菜は野菜にあらず!」 と言っていたのに、ここでは野菜と認めているのですね。
製造者は、殺菌剤として使った次亜塩素酸ナトリウムや塩素は洗うから残っていないと言うでしょう。しかし、野菜の切断面から中にしみ込んだものもあって、本当に全部洗い落とせているのでしょうか。
逆に、そこまで浸み込むとの根拠をお伺いしたいものです。
また、次亜塩素酸ナトリウムは、酸と出会うとたいへんなことが起きます。次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤のラベルに、酸性の洗剤とまぜると危険と書いてありませんか? それは有毒な塩素ガスが発生するから。実際に塩素ガスで死亡事故が起きています。殺菌したカット野菜を食べると、それと同じことが、胃の中で起こるわけです。次亜塩素酸が残留したままの野菜が胃の中に入ると、酸性の胃酸と反応して塩素ガスが発生します。これが発がん性物質になるとも言われているのです。
どんな濃度・量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を想定されているのでしょうか。残留していると仮定しても、それだけの反応を発生させるためには、例えばカットキャベツで一度に数百キロほど食べなくてはならないかと。
また、洗浄を繰り返した野菜は栄養素もなくなり、味も薄くなってしまっています。それをなんとかおいしく食べようとするために、ドレッシングが付いているのです。これがまた問題。保存料や化学調味料などの添加物が大量に使われています。添加物それぞれは、単体なら安全だと言われていますが、体内に入ったときにどのように変化するか、また、他の添加物と反応してどんな影響をもたらすか、確かなことは誰にも言えないのです。
風味は丸野菜と比べて落ちます。しかしながら、ドレッシング添付はカット野菜と関係ないですし、サラダだけがカット野菜じゃないです。野菜炒めセットとかカットネギとか色々ありますよ。
それでも、あなたは、食べないよりはましだからと、カット野菜を食べる気持ちになりますか?
それでもと仰るほどの根拠が示されているようには思えません。
まとめ
- 比較として出された記事はコピペ記事であり、コピペ元は、オーガニックレストランとかマクロビオティック的なものを売る人によるカット野菜を特に根拠もなく貶めている本でした。
- どちらが本当?と聞かれますと、僕の知る限りでは僕の主張が本当です(当たり前)。ただしそれを証明する手段はありませんので、信じたいものを信じてください。
- 何を信じようが個人の勝手ですが、コピペ記事はやめましょう(自戒を込めて)。
以下は余談です
「マヨネーズつけても野菜と認めてやる」
「カット野菜は野菜じゃない」
そんな主張こそが、野菜を作っていらっしゃる農家さん達を貶めているものでしょう。
当たり前だけど意外と忘れられがちなこととして
「カット野菜の原料の野菜は、小売店に並ぶものより低グレードだけど、基本的には同じ野菜」
です。
(注.低グレード=傷があったり小さかったりで、小売には適さないもの)
農家さん達が心を込めて栽培した野菜を、カット野菜に加工されたからといって、
「野菜ではない」
と言い放つような人間を僕は心底軽蔑します。
おまけ
ううん、引用はしっかりやってるつもりみたいだけど、メーカー名とか何度で何分以内に処理すれば何日持つみたいな具体的なことが一切かかれてないから、危険厨の書いてる記事と変わらんやん http://t.co/r3JH9Rsh2s
— miminashi (@miminashi) 2014, 2月 15
・身バレは嫌です。
・そこまで具体的に書くこと=メーカーのノウハウを公開することであり、守秘義務に抵触すると思います。
上記の理由でご容赦ください。
以上です