天皇杯(名古屋グランパスvsヴァンラーレ八戸)に見られるスポーツマンシップと通達の話
小ネタです。
去る8月2日、雷雨中断されていた、天皇杯の名古屋グランパスvsヴァンラーレ八戸の再開試合が開催された。その試合においては、中断時点での名古屋グランパス所属選手数人が移籍またはケガにより出場不可能であり、出場不可選手をどう補填するかに個人的に注目していた。
さて、日本サッカー協会(以下、JFA) の天皇杯実施委員会による公式発表が次のリンク先だ。
(上記リンク先から引用)
名古屋グランパスからの申し出により、天皇杯実施委員会で検討した結果、名古屋グランパスが出場選手の不足分を大会エントリーした選手から補充することを特例として認めました。ヴァンラーレ八戸にもこれを通達し、ご了承いただいています。(引用ここまで)
この部分について、ネット上で
と言った、ヴァンラーレ八戸に対する賛辞を見かけた。ヴァンラーレ八戸を貶す意図はないことを明言した上で、それらの賛辞は的外れだ。
そういった賛辞を言う方は、公式発表の『ヴァンラーレ八戸にもこれを通達し、ご了承』の部分について、『ヴァンラーレ八戸に拒否権があったが、ヴァンラーレにとって不利になる決定であっても、これをスポーツマンシップに則り受け入れた』と認識しているのだろう。しかし実際には、『通達』とは、『上位組織が決定したことを下位組織に対し連絡・命令すること』であって、下位組織は通達を拒否できない。つまりヴァンラーレ八戸のスポーツマンシップは、今回の特例について何ら関係ない。*1
個人的には、ヴァンラーレ八戸のスポーツマンシップについては、
- 少なくとも外部から見える範囲では不平・不満が無かったこと
- 試合放棄をしたりせず、名古屋へ再度やってきて試合を成立させたこと
- 試合中での戦いぶり
を称えるべきと思う。上位組織の決定下において全力を出したことだ。
最後に、ヴァンラーレ八戸の関係者の皆様およびJFAサポーター連合の皆様に、名古屋グランパスファンとして心からの感謝を申し上げます。またいつか、戦う日を楽しみにしております。